気象予報士試験 独学編
第53回の気象予報士試験に合格しました
気象予報士資格を取得後、勉強の仕方などや難易度、感想について聞かれる機会が増えたのでまとめておこうと思います。 参考になるかは分からないですけど、同じく志す人の参考になれば幸いです。 なぜ取得しようと思ったかは別記事(現在未定)に書くつもり。
利用していたまとめノート(2022/2/18追記)
基本的に自分のために使っていたものであったので一部読みにくい箇所(私から見てもw)があります。 リンクが切れていたり変更している場合はこちらを確認してください.
実際に実技試験を受けて思ったこと、言い回しや考え方などをまとめたものです。一番使える(はず)
気象予報士テキスト関連のまとめです。一部読みにくい部分ありますが、知識確認などに使っていただければ
今気付いたけど気象予報士に登録されたの、19.99歳くらいで超ギリギリ10代だった pic.twitter.com/8B86BxH2En
— たら (@_marufura_) 2020年12月30日
忙しい人向け(TL;DR)
- 過去問をやろう
- 身近な詳しい人に聞くのが一番良い(私はいなかったけど)
- 受験仲間や気象予報士と繋がりを持とう
- 普通の天気の本から学べることはたくさんある
- めざてん さんなどのサービスを活用しよう
合格まで
私は大学1年生(理系)の9月から勉強を開始しました。 その4ヶ月後の51回で学科一般と学科専門、53回に実技に合格したという2回に分けて合格しました。 52回は受けていないので挑戦回数は2回です。
難易度
最初は合格率の低さに物怖じしていましたが、問題が難しいというよりは継続的な努力が求められる難しさでした。 暗記量と参考書の質という部分が気象予報士試験の難易度を高く感じさせる要因となっているのではないかと考えていています。 内容は難しくはないんですが覚えることが多く、やるべきことが多いのでロングランになりがちです。
また気象予報士資格合格のためのテキストは「温帯低気圧はそもそも何なのか、何故できるのか」*1などといった重要な問い(歴史でいう流れみたいなもの?)に明示的に答えていないことが多いような気がします。 テキストだけで始めた方とお話しした際に「なんか腑に落ちないモヤモヤ」を抱えてしまい勉強しにくいと感じている印象を受けました。 そうなった時は気象に詳しい知り合いがいればそれが最適だとは思いますが、 他の参考書を立ち読みレベルでも覗いてみたり、インターネット検索をするなど方法を変えて色々調べてみることでも大きく変わると思います。 大体は「一般気象学」を読めば書いてあったりしますが、万人向けの天気に関する本とかであっても学べることはたくさん出てくるはずです。
新幹線走り出したら窓についてた水滴たちが一斉に横に飛びはじめたわけですよ.これよく見てみるとサイズの大きい水滴が空気抵抗受けてすごい動いてて,小さい水滴と併合して大きくなってさらに加速するっていう,水雲で起こる衝突併合成長してるんです.新幹線で見る雨のプロセス.しかも履歴つき. pic.twitter.com/QIf2v6kaNb
— 荒木健太郎 (@arakencloud) 2020年2月8日
勉強の仕方
気象予報士試験(に限らず資格勉強というもの)は過去問を解くことに時間を割くのが一番重要だと思っていて、実際それで上手くいきました。 過去問で安定して合格できる水準の点数を取ることができれば本番でも大丈夫だと分かるので、過去問を振り返れば勉強の対策・やるべきことが見えてくるので勉強しやすいです。 特に絶対的な合格基準を設定している資格試験は、合格率を大幅に変えるような出題テーマや傾向の急激な変更をすることはほぼないと考えて良いと思いますし、実際過去問を解いた上で多少の違いはあってもやることはどの試験でもある程度パターンとして現れてきます。 私は過去10回分(実技だと20回)を2周ずつやりましたが、その時点でかなり自信を持って試験に望めたので、合格に必要な知識を網羅するには十分だと思います。
なので最初は軽く基礎知識となる単語や概念を参考書から勉強して、その後過去問に取り組むのが良いと思います。 参考書の情報は色々書いていてくれますが断片的で書いてある内容が何に役立つなのかなどは書いてなかったりします。 時折分からない部分が出てくるかもしれません。 それは過去問を通して学べばいいですし、むしろ分からないからと言って参考書に時間を割きすぎるのも良くない気がします。
当たり前のことですが以下のことを特に意識しておくべきです。
- 過去問の復習を解き終わった後にすぐしっかりやること(最初は試験時間より復習に時間がかかりました)
- 理解確認の意味も込めて2周やる(これは各々に任せますが、やってよかったとは思っています)
- 無理せず楽しくやること(思えば結構な量の過去問をやりましたが空いてる時間で楽しくできたと思います)
利用した参考書やサービス
気象予報士かんたん合格テキスト シリーズ
有名だったので購入しました。 一度は読みましたが、それ以降は基本的に過去問で分からなかった部分の辞書的な役割で使いました。 また実技にテーマ別事例演習がありますが、正直参考になったかと言われたら微妙です。 代わりに過去問を解く方が良いような気がします。
一般気象学
大学理系基礎教養レベルの知識があれば読めるはず。 読み物としても面白いのでオススメですが、もし難しい部分があったら他の参考書や過去問で知識をつけてから読めば良いです。 先述したモヤモヤに対する説明はこれに大体載っていると思っている。
天気の本
ここには具体名は書かないですが雲の本だったり天気の図鑑だったりイラストで分かりやすい天気の本だったり。 私は天気の本を読んで興味を持って勉強を始めたので、資格取得の最初の一歩はここです。 気象予報士を目指している人で気象予報士合格用のテキストから天気の勉強を始めたという人を数名みましたが、 このような本を読んでいるかいないかは結構勉強の伸び具合に違いが出てた気がします。 テキストだけだと何がやりたいかよく分からないですからね。
めざてん
独学で勉強する際に非常にお世話になったサイトです。 気象庁からは過去10回分の過去問と解答例はありますが、解説はないですし、さらに古い過去問は入手できません。 独学の場合、気象予報士試験の過去問の入手や解説を手に入れるのに非常に苦労します。 めざてんでは更に古い過去問や過去問解説を無料で入手可能で、独学取得の強力な味方です。 また掲示板などもあるので質問などもできます。
本当に無料で使って良いのかといった感じではありますが、寄付による感謝の気持ちは忘れないようにしたいところ。 私も少額ながら貢献させて頂きました。
最後に
もっと細かい部分について知見を共有できたりもします。
- 実技の出題パターン
- 実技のお絵かきのコツ
- 実技の採点基準と採点の仕方
- 試験の時間の使いかた
- 気象業務法で大切なところ
ただこれは今回書くべきことでもないかなと思っていますし膨大になりそうなので省いています。 気になったら聞いてください。
気象予報士試験はちゃんと勉強すればちゃんと合格できる、良い資格試験だと思っています。 が、(特に独学だと)周りに受験仲間がおらず孤独な戦いになりがちで勉強の仕方や分からないところなどで時間をかけすぎてしまうことで、結果遠回りしてしまう心配もありそうです。 twitterなどで受験仲間や気象予報士との繋がりを持っておくことはモチベや勉強の仕方という面でオススメです。 気になったことをtwitterで投げておくだけで答えて下さる親切な方もいます。 気象関連のキャリアを考えているのであれば未来の同僚になるかもしれません。
もちろん私に聞いてもらっても構いません、Twitterはここです(宣伝)。 気象トークしたかったりするのでwin-winな関係だと思います、気軽に聞いてください。 知らない人でも全然かまいません(むしろそういう読者を想定していました)
かつては質問していた側ですが、答える側として還元していければ最高です。 頑張ってください、応援しています。
気象庁訪問の戦利品 pic.twitter.com/f74P6sZVti
— たら (@_marufura_) 2020年3月13日